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管制官13人 事情聴取 羽田事故3カ月 警視庁、先月までに


管制官13人 事情聴取 羽田事故3カ月 警視庁、先月までに 羽田空港のC滑走路で炎上する日航機=1月
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 羽田空港のC滑走路で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、警視庁東京空港署捜査本部が管制官13人に事情聴取したことが2日、捜査関係者への取材で分かった。両機とのやりとりなど当時の状況の確認を進めている。事故発生から2日で3カ月となった。
 捜査本部は1月に炎上した両機や滑走路の現場検証をするなどし、業務上過失致死傷容疑を視野に捜査している。捜査関係者によると、管制官の聴取は3月末までに実施した。
 これまでに国土交通省が公表した交信記録によると、管制官は海保機に離陸の順番が最初という意味の「ナンバー1(1番目)」と伝え、C滑走路手前まで地上走行するよう指示。海保機側も同じ内容を復唱したが、停止位置を越えて進入し、約40秒間停止した。管制官は海保機との交信後、他の航空機とやりとりを続けた。
 管制塔では誤進入防止の注意喚起機能が作動していたが、管制官は海保機の動きに気付かなかったとみられる。事故後、国交省は有識者を交えた対策検討委員会を設置し、議論を進めている。海保は3月28日に事故機が所属していた羽田航空基地の職員による航空機運用を全面再開した。
 事故は1月2日午後5時47分ごろ発生。C滑走路で札幌発の日航516便と海保機が衝突した。海保機の乗員5人が死亡し、機長が重傷を負った。日航機の乗客乗員379人は全員脱出した。