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「社会の沈黙やめよう」 米兵から性被害、フィッシャーさん講演 沖縄県立博物館・美術館


「社会の沈黙やめよう」 米兵から性被害、フィッシャーさん講演 沖縄県立博物館・美術館 自身の性被害体験などについて語るフィッシャーさん=6日、那覇市の県立博物館・美術館
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 県立博物館・美術館で2日から展示会を開いている豪州出身のキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんが6日、同館で講演会を開いた。米兵からのレイプ被害に遭い日米地位協定の改定を求めて活動してきた自身の経験を語り、「社会の沈黙をやめよう」と訴えた。

 フィッシャーさんは、2002年に神奈川県横須賀市内で米兵から被害を受けた。事件は起訴されず、フィッシャーさんは東京地裁に民事訴訟を起こすが、日米地位協定の壁などが立ちはだかった。

 これまで、本の出版や心を癒やすアート作品の創作活動、性暴力被害者の支援や日米地位協定改定の訴えなどに精力的に取り組んできた。しかしなかなか変わらない現状に一時は「(体重が)30キロほどやせてしまった」と活動の裏で心身をすり減らしていたことも明かした。

 性犯罪の加害者特定に役立つレイプキットと、被害者が24時間いつでも医療サービスが受けられる施設の必要性を強調する。また、被害者が守られず不平等な日米地位協定の改定を訴えている。

 今回、県立博物館・美術館での展示会は、ジェーンさんが創作した絵や立体作品を紹介している。「個展を見て、みんなが大切(な存在)だと思ってくれれば、もっと平和な世界になる」と来場を呼びかけた。

 展示会は14日まで。入場無料。

 (中村優希)