米国が飲み水の基準を1リットル当たり4ナノグラムとしたのは、各浄水場で測る機械や技術などで実際に測ることができる数字であり、安全だからということではない。
日本で測ることができるのは1ナノグラムと言われている。日本は20年に暫定指針値を1リットル当たり50ナノグラムと定めた後、見直しの議論も起こったが実績が出ていないとして見送られている。
沖縄では、市民が肥料や農水産物、血中濃度の調査などを県に求めているが、実現しないのは、日本国内で基準値が定められていないことに加え、国の後ろ向きな姿勢も背景にある。
沖縄には米軍基地があり軍人・軍属も暮らしており、本国の基準厳格化で基地内の対策がどう変わるのか注視している。
22年に市民が実施した血中濃度調査で高い値が出た人の中には、浄水器やミネラルウオーターを買うなど生活スタイルを見直すことになり経済的な負担も増えた。米国の基準厳格化を機に、県民の健康と命を守るために何ができるか、県も市民とともに考える必要がある。
(環境学)