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デニー知事「チムグクルが成果つくる」 県民大集会 参加者らの思いとは 沖縄


デニー知事「チムグクルが成果つくる」 県民大集会 参加者らの思いとは 沖縄 「民意・自治・尊厳を守り抜く4・14県民大集会」であいさつする玉城デニー知事(壇上中央)=14日午前、名護市瀬嵩(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【名護】14日の辺野古新基地建設に反対する県民大集会は、時折雨が降る中で行われた。玉城デニー知事をはじめ登壇者は、うるま市石川での陸上自衛隊訓練場整備計画が住民の反対によって断念されたことに言及。玉城知事が「市民の行動を沖縄全体で支え合うチムグクルが、成果をつくっていく」と訴えると、1800人(主催者発表)が集まった会場からは大きな拍手と指笛が鳴り響いた。

 玉城知事はしまくとぅばも織り交ぜながら「新基地建設は認めない、沖縄を再び戦場にさせないのは大人の責任。その気持ちで結び合い、党派や地域を越えて私たちは結集する」と力を込めた。

 うるま市から参加した山田義富さん(72)は「市民が声を上げ続けることが大事」と知事の訴えにうなずいた。「うるま市では地元市民の声が陸自の計画を撤回に追い込んだ。新基地も同じように断念に追い込みたい」と意気込んだ。

 自治体職員の仲本政之さん(40)=那覇市=は「沖縄の問題を深く考えるきっかけにしてほしい」と、中学生と小学生の子ども2人と参加した。自宅近くをオスプレイが飛び、子どもたちとの会話に米軍基地の問題が上る。「国は地方自治をないがしろにしている。基地建設を止めるべきだ」。

 1歳の子どもと参加した女性(38)=名護市=は、LGBT法や共同親権を導入する民法改正案などを挙げて「今の政府は、当事者の声を聞かずにさまざまな法改正などをしている。沖縄の声も聞かずに、近い将来、沖縄を巻き込む戦争が起こるのではとそわそわする」と危機感をあらわにした。

 瀬嵩の浜の沿岸では、ヘリ基地反対協議会海上チームが抗議船3隻、カヌー15艇を出した。本部町在住の男性(26)は「今の政治の根幹を変えないと暮らしは良くならない」との思いで参加、抗議船で連帯の意思を示した。

 海の近くで生まれ育ったという男性は「基地建設には反対だ。自然を残してほしい」と強く願う。「強行する政府に対して、行動することで(反対の)意思を示していきたい」と話し、今後も機会があれば抗議行動に参加する考えを示した。

(池田哲平、狩俣悠喜、玉城文)