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ハブにかまれる被害45件、過去最低に ピーク時は549件も、被害減少の背景とは 沖縄


ハブにかまれる被害45件、過去最低に ピーク時は549件も、被害減少の背景とは 沖縄 「ハブに注意」の看板(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 宮沢 之祐

 県内でハブにかまれる咬症(こうしょう)被害が昨年は45件となり、データがある過去60年間で最低だったことが県の調べで分かった。1960年代には年間500件を超えることもあったが、近年は50~60件前後で推移している。死亡者は2000年以来出てない。

 県衛生環境研究所によると、1967年の549件をピークに減少傾向が続き、1990年代には200人を割るようになり、2001年には初めて100人を切った。

 死亡人数は60年間で53人に上るが、1999年に1人亡くなったのが最後となっている。ただし、筋肉が壊死(えし)するなど深刻な後遺症に悩まされることもあるという。

 昨年の咬症(こうしょう)被害の内訳はハブ30件、サキシマハブ7件、ヒメハブ8件、タイワンハブ0件だった。この10年で見ると、ハブやサキシマハブによる被害が減る傾向にある。

 農作業中の被害が特に多いことから、被害が減った背景について同研究所は、農業従事者の減少を指摘。都市開発の進行や、警察や消防、自治体、住民による防除対策が効果をもたらしていることも挙げる。

 一方、県薬務生活衛生課はハブ咬症注意報を例年通り5月1日から6月30日まで発令する。同課は「減ってはいるが、一定数の被害がある。引き続き県民や観光客に注意を呼びかけたい」としている。

 (宮沢之祐)