【図解あり】病院や学校、スーパーも…宮古島市ほぼ全世帯、2万5500戸停電 「母線に不具合」沖縄電力が謝罪


【図解あり】病院や学校、スーパーも…宮古島市ほぼ全世帯、2万5500戸停電 「母線に不具合」沖縄電力が謝罪 蛍光灯が消えた教室で授業を受ける児童ら=25日午前10時25分ごろ、宮古島市平良の北小学校
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 宮古島市で25日午前3時すぎから昼前の8時間半にわたり、市内ほぼ全ての世帯に及ぶ大規模停電が発生した。一時、役所や病院など公共施設を含む最大約2万5500戸が停電した。沖縄電力によると、宮古第二発電所内にある発電機から送電線につながる「母線」と呼ばれる送電設備に不具合が確認された。不具合の原因は不明だが、母線に焼け焦げた跡が確認されたという。横田哲副社長は同日夕、浦添市の本店で記者会見を開き、「宮古島の皆さまに深くおわび申し上げます」と謝罪した。

 沖縄電力によると、25日午前3時12分、宮古島市全域で停電が発生、午前7時すぎに約1万2千戸が復旧したが、送電設備の不具合で再び市全域が停電した。午前11時42分に全戸復旧した。

 この停電の影響で、県立宮古病院と、宮古島徳洲会病院が午前中、外来患者の受け入れを休止し、救急患者のみ受け入れるなどした。市内の県立高校は午前を臨時休校とし、一部スーパーも一時開店を見合わせるなど市民生活に混乱が生じた。航空機の発着に影響はなかった。

 宮古島署によると、一時、市内の信号機がほぼ消え、警察官が交通整理に当たった。停電によるけが人や事故は確認されていない。現在、不具合があった箇所の送電線は使用せず、残りの送電線で電気を供給している。宮古島市で設備の不具合による大規模停電が起きたのは初めて。

 停電が長時間にわたったことについて横田副社長は、不具合箇所が発電機の近くだったことから、事故誘発や発電設備側への影響を考慮して「慎重に現場確認を行った」とした。

 経済産業省は本紙取材に、沖縄電力に原因究明などについて報告するよう求めたと明らかにした。

 (吉田健一)