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奄美土砂調達計画 外来種対策求める 新基地 自然保護協が国に意見書


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 名護市辺野古の新基地建設を巡り、軟弱地盤がある大浦湾側の埋め立て用の土砂を奄美大島から調達する国の計画が明らかになったことについて、日本自然保護協会(亀山章理事長)は30日、外来種の除去に有効な対策を取ることを求めた意見書を防衛省と沖縄防衛局に送付した。政府が土砂を洗浄することで搬入可能とみていることについて、防衛省が過去の報告書で「特定外来生物を死滅させるには高熱処理が有効」と記し「洗浄では不十分という専門家の意見の存在を認めている」と指摘した。
 意見書によると、県が2015年に外来種の混入を防ぐことを目的に、県外からの搬入を規制する条例を制定していることや、16年にIUCN(国際自然保護連合)が世界自然遺産登録予定地(当時)だった島嶼間の土砂移動に伴う外来種への対策を日米両政府に求める勧告が出されていたことに言及。その上で、沖縄にはすでに1200種を超える外来種が定着していることを踏まえ「農作物や野生生物に影響を及ぼしていることから被害の拡大を防ぐ必要がある」と対策を求めた。
 土砂調達先として報じられた奄美群島の一部の市町村では住民の合意が取れていないとして、合意形成についても問題視している。(慶田城七瀬)