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汚染源特定 矛盾ない数字 沖縄大名誉教授 桜井 国俊氏


汚染源特定 矛盾ない数字 沖縄大名誉教授 桜井 国俊氏 桜井国俊氏
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

今回下流側で検出された4物質合計1リットル当たり6300ナノグラムは、普天間飛行場が汚染源と特定・推定するに当たり矛盾がない数字だ。われわれの健康に影響する問題において、基地への立ち入りができず、まどろっこしい調査手法を取らなければならない現状はおかしい。構図自体が異常であると政府とメディア、県民は気付くべきだ。
汚染者負担の原則を考えると、限りなく汚染者の米軍側が、立ち入り拒否の理由に「水道水では影響低減」とは信じられない言い草である。
2020年の泡消火剤流出を受け、実施された国と県、米軍の調査も、10日後に採水、米軍が撤去し保管していた泥を1カ月後に採取しかできず、カギ括弧付きの立ち入り調査に過ぎなかった。政府はなぜ怒らないのか、なぜ米軍側の言い分を黙って聞くのか。
ことしに入ってからの渇水、また県民の健康問題を前に、汚染源特定を先送りしてはならない。基地内への立ち入り調査を政府がしっかりと求めるべきだ。 (環境学)