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「あなた1人の島じゃない」 与那国町長発言に住民ら怒りの会見 沖縄


「あなた1人の島じゃない」 与那国町長発言に住民ら怒りの会見 沖縄 糸数健一町長の言動について「あなた一人の与那国島じゃない」と憤る崎原正吉さん=16日、与那国町
この記事を書いた人 Avatar photo 照屋 大哲

 与那国町の糸数健一町長が憲法改正を求める集会で「一戦を交える覚悟が問われている」と発言したことなどを受け、町民らが16日夜、町内で会見し、「絶対許してはいけない」「あなた一人の島じゃない」と批判し、「全国の人に与那国の現状を知ってほしい」と訴えた。

 17日にラーム・エマニュエル駐日米大使が町を訪れる計画に対し「日米安保体制に従わせるための足がかりだ」と問題視した。

 会見は約20人の住民らが参加し、会場となった民家に入り切らず外から見守る人もいた。集まった約20人の報道陣を前に、崎原正吉さん(75)は糸数町長に対し、「あなた一人の与那国島じゃない。1700人の人が住んでいる」と憤った。

 町出身の大仲扶佐江さん(82)は町長に日米地位協定の問題点を説明しても、町長は「私は法律家じゃないから弁護士に教えてもらわないと分からない」と答えたとして、「この人が町長では島がだめになる」と批判した。

 時折声を詰まらせながら思いを語った狩野史江さん(64)は「こんな小さな島で戦争の準備が進められることは許せない。(国や町長は)この島を軍事の島にしようとしている」と静かな声に怒りをにじませた。 

(照屋大哲)