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南城市長セクハラ疑惑、職員アンケート分析進まず 「漏えい」で懲罰主張の与党側、先送り 沖縄


南城市長セクハラ疑惑、職員アンケート分析進まず 「漏えい」で懲罰主張の与党側、先送り 沖縄 特別委員会に運び込まれたアンケートの投票箱=5月27日、南城市議会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を巡り、提訴した元市長車運転手の女性の訴えに続き、職員アンケートに「市長からキスをされた」という別の訴えが寄せられたことが市議会の特別委員会(安谷屋正委員長)で31日、公式に確認された。しかし、この日の特別委で与党側は、一部の内容が事前に報道されたことを受けて「秘密会の内容を漏えいした委員の懲罰が先だ」という主張を展開し、アンケートの分析作業に入らなかった。先送りを重ねる議会の姿勢に市民の不信はさらに強まっている。

 午前10時から始まったこの日の特別委。アンケートの分析結果の資料も配布されず、開始わずか10分あまりで、安谷屋委員長が先送りを提案した。

 「懲罰動議を準備している委員もいる。アンケートの分析は今の状態で進めることは厳しいと判断しているが、よろしいか」

 「異議あり」という声が野党・中立会派の議員から上がった。

 松田兼弘市議は「アンケートの分析を早めに終わらせて市民に公表するのが私たちの仕事ではないか」と指摘。宮城尚子市議も「被害を受けた人たちがどんな気持ちで暮らしているのか」「警察案件に匹敵するものもあるかもしれない中、1分1秒でも早く公表し、しかるべきところに提出する作業を急がないといけない」と訴えた。

 しかし、与党側は「懲罰を先に進めるべきだ」「今の状態でアンケートの分析に進んでいくことには絶対反対だ」という主張を重ねた。「漏えい」を指摘された市議が「私が退席するので先に進めてほしい」と申し出ても、安谷屋委員長は「漏えい」に関するさらなる確認が必要だと言い、特別委は1時間20分で終了した。

 与党側は懲罰動議を議論する臨時会の招集を古謝市長に請求した。6日に臨時会を開く方向で調整を進めている。

 一連の疑惑を巡り、第三者委の設置などを議会に陳情してきた市民団体「ハートのまち南城 人権ファーストの会」のメンバーは「早く市長の疑惑の真相を解明してほしい。半年近くなるが何も進んでいない。この期に及んでさらに先延ばしとは信じられない」と語った。

 (南彰、普天間伊織)