東村高江の米軍北部訓練場に近い県道70号で14日午後7時40分ごろ、米兵約40人が小銃を持ったまま同訓練場の敷地外で車両に乗車する姿が目撃された。一部では弾倉を付けた兵士の姿も見られた。同訓練場由来の環境問題や米軍廃棄物問題に取り組む宮城秋乃さんが一部始終を目撃した。宮城さんは周辺住民に不安を与えるとして「国は米軍に抗議すべきで、好き勝手にさせることは主権の放棄につながる」と批判した。
宮城さんによると、兵士らは午後7時半ごろ、同訓練場のN1ゲート内で待機していた。10分ほどすると3台の大型トラックが県道に停車し、小銃を持った兵士らがゲートから県道に出て乗車した。現場では県警の機動隊員も警備に当たっていたといい、「機動隊の警備は異例で、(訓練場内の)ヘリパッド建設時を除けば初めてだ」と驚いた。
同県道で昨年2月にも銃を携帯し武装した米兵が目撃されている。1996年のSACO(日米特別行動委員会)最終報告に「公道での行軍は既に取りやめられている」と記載されている。東村の當山全伸村長は「村民の安心、安全な暮らしのためにも、国は状況を把握すべきだ」と求めた。
沖縄防衛局は「県道で待機していた車両に乗車するために海兵隊員が北部訓練場から出てきた」と説明。「米軍の運用に当たっては公共の安全に妥当な配慮を払うことは当然であり、従前より米側に対し周辺住民の生活環境に与える影響を最小限にとどめるよう申し入れている」とコメントした。
(玉寄光太、武井悠)