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非戦誓い一歩一歩 沖縄・糸満 遺族連合会行進に300人


非戦誓い一歩一歩 沖縄・糸満 遺族連合会行進に300人 平和を祈りつつ歩みを進める平和行進の参加者=23日、糸満市
この記事を書いた人 Avatar photo 岩切 美穂

 【糸満】戦禍を避けるために南へと逃げた人々の思いを追体験しようと、第63回平和祈願慰霊大行進(県遺族連合会主催)が23日、開催された。ひめゆりの塔前から平和祈念公園までの約4キロを、県内外から集まった約300人が歩いた。

 沖縄戦当時は7歳で、熊本県に疎開していた花城清裕さん(86)=那覇市首里山川町=は、沖縄に残した両親や弟、妹らを亡くした。「遠足にでも行く気分で疎開したが、帰ったら両親がいなくなっていた。ごみ捨て場の残飯を拾って食べ、必死で生きた」と過酷な戦後を振り返る。

 「両親のいる子には負けまいと、貧しくとも盗みや悪事は絶対しなかった」という花城さん。勉強して18歳で刑務官になり、警察官に転じた。「みじめな戦争を二度と起こしてはいけない」。両親を思い、歩みを進めた。

 (岩切美穂)