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「平和な暮らし返せ」 緊急抗議集会、参加者ら訴え 街宣車でかき消される場面も 米兵性的暴行事件 沖縄


「平和な暮らし返せ」 緊急抗議集会、参加者ら訴え 街宣車でかき消される場面も 米兵性的暴行事件 沖縄 緊急抗議集会でメーセージを掲げて登壇者の訴えに耳を傾ける参加者=4日午後5時47分、那覇市泉崎の県民広場(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 4日に那覇市の県民広場で開かれた「人権と命について考える緊急抗議集会」。真夏の夕暮れに集まった約600人の参加者たちは、米兵の性的暴行事件の続発や名護市安和で起きた死傷事故の被害者に思いをはせた。「平和な沖縄、市民の暮らしを返せ」と声を上げ、連綿と続く沖縄の不条理を訴え、怒りを一つにした。集会冒頭では安和で亡くなった事故の犠牲者へ1分間の黙とうをささげた。

 会場では、フォークシンガー知念良吉さんがライブ演奏を披露した。知念さんは沖縄が日本から切り離された1952年生まれ。沖縄の不条理を表現した「何処へ行くオキナワンボーイ」を歌い上げた。

 一方、集会開始から街宣車による妨害が続き、壇上の声が時折、かき消される場面も。「本来であれば静かな悲しみと抗議に包まれる集会になるはずだった」と主催者の具志堅隆松さんが無念さをにじませた。

 会場では「Protect Okinawan Dignity(沖縄の尊厳を守れ)」や「誰も殺させない 誰も傷つけない」などプラカードを掲げて意思表示する人もいた。

 台湾の大学に通う知念幸都さん(21)は、夏休みを利用して帰省中に集会に参加した。「(事件報道で)ずっと嫌な気持ちを抱えている。チムワサワサーだった」と話す。会場周辺での街宣車の妨害行為に「悔しさというか恥ずかしさというか、何て言ったらいいか分からない」と憤りをにじませた。

 「政府の沖縄に対する理不尽なやり方を止めてほしい」。松川猛さん(75)=名護市=は、米兵性的暴行事件を受け、玉城デニー知事を訪ねた嘉手納基地の司令官が謝罪しなかったことを「横柄だ」と厳しい表情で批判した。

(慶田城七瀬、小浜早紀子、狩俣悠喜)