名護市辺野古の新基地建設に使用される土砂搬出に対する抗議活動が行われている同市の安和桟橋前の路上で、ダンプカーに衝突された警備員男性ら2人が死傷した事故で、現場付近に設置された記録用カメラに事故の状況が撮影されていることが、4日までに関係者への取材で分かった。衝突前にダンプカーが、男性らがいた進行方向左側とは逆の右前方にいた別の警備員の指示を受けて発進したことも判明。県警がカメラ映像などを基に、事故原因を調べている。
死傷事故は6月28日午前10時すぎに発生。桟橋から左折して国道449号を本部町向けに出ようとするダンプが、桟橋との進入路で抗議活動中の70代女性と、抗議に対応中の40代警備員男性に衝突した。
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事故を目撃していた抗議活動参加者の女性によると、停止するダンプの進行方向左側から、ダンプの前を抗議のために横切ろうとしたこの女性を警備員が制止したため、70代女性が抗議のため近づいてきたという。
関係者によると、ダンプの進行方向の右前方にいた警備員は、桟橋前の国道を名護市屋部方面から本部町向けに走行する車両を確認して、発進の許可を出す役割を担っている。事故当時も屋部方面から近づいてくる車両の有無を確認した上で、ダンプに合図を出したとみられる。
一方で衝突直前の2人はダンプに近く、運転席が高い位置にあるために、運転手には視認できなかった可能性があるという。
亡くなった男性や合図を出した警備員が所属する警備会社は、取材に「飛び出しによる不可避な事故であり、警備は適切だったと認識している。具体的な事実関係は現在捜査中につき回答は差し控える」とした。