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「離島、救急医療を変革した」徳田虎雄さん死去 関係深かった沖縄からも悼む声


「離島、救急医療を変革した」徳田虎雄さん死去 関係深かった沖縄からも悼む声 徳田虎雄氏
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 医療法人「徳洲会」グループを設立した徳田虎雄さん(86)の死去を受け、県内の関係者からも悼む声が上がった。

 同グループの前理事長で、最高顧問の安富祖久明さん(74)は11日、「常に地域住民・患者の視点で社会を見る人だった」と惜しんだ。徳田さんは全身の筋肉が動かせなくなっていく難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を発症し、長期療養していた。最後に直接メッセージを受けたのは約10年前。2012年衆院選を巡る選挙違反事件を受け「全て自分が責任を取る。医療法人は頼む」と伝えられた。

 徳洲会と沖縄のつながりは深い。79年には八重瀬町に南部徳洲会病院がオープン。現在は県内に13医療機関を展開する。 幼い頃、弟が医療を受けられずに亡くなった経験から「生命だけは平等だ」との理念を持ち、24時間365日、断らない医療を掲げてきた徳田さん。安富祖さんは「誰もできなかった離島、救急医療を変革した、医療革命家だ」と評した。

 沖縄奄美連合会の奥田末吉会長(80)は「奄美でも先進医療が受けられる時代を作った。身を削ってまで医療と故郷の発展に尽力された『愛郷無限』という言葉に尽きる」と悼んだ。

(前森智香子、沖田有吾)