検察側の冒頭陳述では面識のない少女に対し、最初に日本語で話しかけるなど、被告が巧みに自宅に連れて行く様子がうかがえた。さらに、被害少女が事件後、親に泣きながら被害を訴えたと明らかにしていた。被告は性的行為を認める一方で同意があったなどとして無罪を主張しているが、少女が泣きながら被害申告している状況からも、同意があったとは思えない。性的暴行を受けた後、被害を打ち明けられずに隠してしまうケースが圧倒的に多い。過去に支援したケースで、性的暴行を受けた少女が親に相談したものの、親が被害を受け止めなかった事例があった。
今回の事件で少女は本当に怖い体験をしているが、親に被害を訴えることができたのはとても良かった。親も訴えを受けてすぐに通報したからこそ、今回の立件につながったのだろう。
県内では2008年に、面識のない女子中学生に声をかけ、性的暴行したとして、当時38歳の米海兵隊員が女性暴行容疑で逮捕された事件があった。その事件では被害者バッシングが蔓延(まんえん)した。被害者が非難されるようなことは、あってはならない。被害者の訴えをしっかり受け止め、それをサポートすることが大切だ。
(談、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表)