災害ボランティア経験者へ アスベスト被害の全国調査を実施中 阪神大震災30年を前に


災害ボランティア経験者へ アスベスト被害の全国調査を実施中 阪神大震災30年を前に 解体工事(イメージ)
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 沖縄からもボランティアが訪れた阪神・淡路大震災の発生から来年で30年となるのを前に、災害時のアスベスト(石綿)による健康被害を調べる神戸市の市民団体「災害とアスベスト―阪神淡路30年プロジェクト」が、全国の災害ボランティア経験者を対象とするアンケート調査をしている。

 アスベストで起きる健康被害には中皮腫や肺がんがある。いずれも息苦しさなどの症状が出るまで30~40年かかる。気付いたときには進行し、治療が難しいのも特徴だ。

 阪神・淡路大震災が起きた1995年は「ボランティア元年」と呼ばれた。全国から多くのボランティアがやって来た被災地は、解体作業の粉じんが舞っていた。同プロジェクトによると、臨時雇用でがれき処理を2カ月した男性らが中皮腫を発症したという。

 仕事で活動した人が発症すると労災として把握されるが、ボランティアの場合は実態が分からない。30年が過ぎ、ボランティアだった人の健康への影響が懸念される。

 アンケートの対象は、東日本大震災や豪雨災害のボランティアも含む。活動時のアスベストに関する注意喚起の有無、防じんマスクの準備などを質問している。健康不安への相談にも応じる。

 同プロジェクトの事務局を務めるNPO法人ひょうご労働安全衛生センターの西山和宏事務局長は「調査結果を踏まえ、災害時のアスベスト対策の徹底を訴えたい」とする。回答はURLから

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeUKvWMkXTCzi0AsPHuYRA3yiUxpatdLKlTXbLQLFLnxXct5Q/viewform)。

回答期限は10月31日。 

(宮沢之祐)