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基地爆音・米兵事件 抗議 嘉手納原告団など 防衛局と外務省に


基地爆音・米兵事件 抗議 嘉手納原告団など 防衛局と外務省に 伊藤晋哉局長(右)に決議書を手渡す新川秀清団長=29日、嘉手納町の沖縄防衛局
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【中部】第4次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団、沖縄平和運動センター、中部地区労働組合協議会の3団体は29日、嘉手納町の沖縄防衛局に伊藤晋哉局長を訪ね、基地負担軽減を求める同原告団の総会決議と米兵による相次ぐ性暴力事件に抗議する決議を手渡した。同日、那覇市の外務省沖縄事務所に黒石亮副所長も訪ね、同様の決議を提出した。

 6月22日に同原告団の総会で採択した総会決議では、航空機騒音や常態化するパラシュート降下訓練などに「住民生活を破壊する暴挙」と抗議し、基地被害や基地機能強化を止めることなどを求めた。

 3団体共催で9日に開いた、米兵事件への抗議集会で採択した決議では、事件を「県民全体を怒りと恐怖に陥れた」とした。事件の情報共有が遅れたことに「政治的忖度(そんたく)が働いたのではとの疑念がつきまとう」と指摘。被害者への謝罪、事件・事故防止のための協力ワーキングチームの再開などを求めた。

 第4次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団の新川秀清団長は「基地周辺の声を受け止め、再び起こらないよう全力を尽くしていただきたい」と求めた。基地負担軽減や事件の再発防止について伊藤局長は「米側と連携していく」と繰り返した。

 沖縄防衛局への要請後、同局前で報告集会を開き約60人が参加した。新川団長は「局としてどうするかの答えがなかった。『またあってはいけない』と言うが、(沖縄戦があった)79年前から続いている」と危機感を述べた。

 (金盛文香、狩俣悠喜)