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「普天間」移設前返還を 県が「SACO」一部見直し要求へ 知事、19日に首相と面談 米軍ヘリ沖国大墜落


「普天間」移設前返還を 県が「SACO」一部見直し要求へ 知事、19日に首相と面談 米軍ヘリ沖国大墜落 沖国大構内に散乱したCH53Dヘリの残骸=13日、宜野湾市宜野湾
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米軍ヘリ沖国大墜落事故を受け、県は十五日までにSACO(日米特別行動委員会)最終報告で代替施設の完成後に普天間飛行場を返還するとした日米の「返還時期」の合意を見直し、移設前早期返還に取り組むよう政府に求めていく方針を固めた。同飛行場の使用については、墜落事故前と同規模の運用を米軍に認めない姿勢を確認。当面は所属機の全機種飛行停止に加え、他基地からの飛来自粛など飛行場機能の縮小も政府に求めていく方針だ。稲嶺恵一知事がボリビアから帰国後、十九日に首相官邸で小泉純一郎首相と面談し、事故への抗議と早期返還を要求する。

 県は政府に対し、代替施設が完成するまで、同飛行場の基地機能の縮小を段階的に進め、最終的には全機能解消による移設前の早期返還を求める構えだ。その間の同飛行場の海兵隊の機能については国内外を含む県外への分散移転も想定される。ただ、県幹部は「基地の提供責任は国なので、県は早期返還を求める以外に、具体的な返還方法までは提案する立場にない」と説明している。

 県は従来、「十分な代替施設が完成し運用可能になった後、普天間飛行場を返還する」との、代替施設完成後の返還を前提としたSACO合意に同意してきた。

 今回の墜落事故を受けて、県は名護市辺野古への現行移設計画を推進する方針に変更はないとしているものの、政府が代替施設の工期を最低でも十三年以上必要だとしているため「墜落事故が起きた以上、危険な状態を代替施設完成まで放置することはできなくなった」(県幹部)と認識。SACO合意を一部見直し、移設作業と切り離す形で早期返還に取り組むよう政府に求める方針だ。

 また、危険回避の緊急避難措置として、すでに日米双方に求めている所属機の全機種飛行停止に加え、ほかの基地からの米軍機の離着陸も含めた、飛行場の使用自粛を求める意向だ。

 今後は、事故機の原因究明や安全対策などが米軍から示された後も、同飛行場所属のヘリ五十六機、固定翼機十五機の計七十一機の運用という事故前と同規模の基地運用は容認せず、運用見直しも求めていく。