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機体回収、捜査に支障 米対応に不満表明 県議会軍特委で県警刑事部長 危険行為で捜査 <米軍ヘリ沖国大墜落事故>


機体回収、捜査に支障 米対応に不満表明 県議会軍特委で県警刑事部長 危険行為で捜査 <米軍ヘリ沖国大墜落事故> 墜落したヘリの機体の一部をクレーンでつり上げる米軍関係者ら=16日午後2時すぎ、宜野湾市の沖国大
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米軍ヘリ沖国大墜落事故を受け、県議会米軍基地関係特別委員会(伊波常洋委員長)が十六日午後行われ、抗議決議と意見書案を審議。県警の現場検証が行われないまま墜落機の回収作業が行われていることについて、伊良波幸臣県警刑事部長は「捜査を展開する意味では現場に残した方がいいが、米軍財産の規制は県警にはできない」と述べ、捜査に支障を来しているとの認識を示した。十七日は県議会のほか、宜野湾市議会、名護市議会などが抗議決議を可決する予定。各地で普天間飛行場の早期返還を求める声が強まっている。

 県議会軍特委では、野党と維新の会が「SACO合意の見直し、辺野古沖への移設の再考を求める」との文言を決議に盛り込むよう求め与党と対立。十七日午前十時から開かれる臨時議会では、SACO見直しの文言のない与党(二十七人)案と文言を入れた野党と維新の会(二十一人)の案が提案され、与党案が賛成多数で可決される見通し。両案とも(1)普天間飛行場の早期返還(2)事故原因の徹底究明と速やかな公表(3)再発防止策が講じられるまでの全機種の飛行停止—などを求めている。

 県警は航空危険行為等処罰法に基づき捜査を進めているが、伊良波刑事部長は「米軍の協力が必要だ。早い段階から現場にある(機体の)残がいの検証を含め同意を求めてきたが、その同意の回答が来ない」と、県警の現場検証を事実上拒否した米側対応に不満を示した。

 県警の現場検証や証拠品の押収について伊良波刑事部長は、刑事特別法一三条などに基づき、米軍基地司令官の同意が必要との認識を示した。

 府本禮司知事公室長は「極めて重大な事故に鑑(かんが)み、普天間飛行場の早期返還を求め、危険の除去を大きな課題とし、国に求めたい」と述べた。

 国と県が推進しているSACO最終報告や名護市辺野古沖移設の見直しについては、「日米間で合意したものに代わる代案がない間は、合意に基づき早急に実現していく努力をするのが務めだ」と述べた。

 府本知事公室長は普天間代替施設の建設期間について「環境調査に二、三年、埋め立てが九・五年、建設等々含めると十五、六年だろう」と、県の試算を初めて公表した。