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「与那国の状況を全国の人に」 住民有志ら日米訓練受け声明発表 沖縄


「与那国の状況を全国の人に」 住民有志ら日米訓練受け声明発表 沖縄 声明を発表する与那国島住民有志の会=4日、与那国町
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 【与那国】日米共同訓練(レゾリュート・ドラゴン24)が与那国町などで実施されていることを受け、同町の住民有志は4日、平和を思う住民の思いを島内外に発信しようと町内で会見を開いた=写真。島で続く軍事的な動きに懸念を示し、日本が中国に不戦の誓いを表明した「日中共同声明に立ち返り、日中間の全ての紛争は平和的手段で解決しなければならない」とする声明を発表した。

 声明は島内外の人に向けて、(1)日中両国間の全ての紛争を平和的手段で解決する(2)戦争を回避するため一面的な情報だけでなく、争いごとの実態を多面的な視点から知る努力を重ねる―ことを呼びかけた。

 与那国島では共同訓練実施のみならず、有事を想定した島外避難の説明会、地対空ミサイル部隊配備計画、ラーム・エマニュエル駐日米大使の訪問による中国けん制など、軍事的な動きが続いている。

 声明を発表した猪股哲さん(47)は「与那国島が米中など軍拡のアイコニック(象徴的)な島として使われている」と危機感を示し、「軍事以外の方法で島が発展してほしい」と願った。

 山口京子さん(65)は「みんな黙るしかないとなっている」と現状を憂い、「与那国の状況を全国の人に知ってほしい」と望んだ。

  (照屋大哲)