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能登豪雨 孤立115集落 輪島など3市町、道路寸断


能登豪雨 孤立115集落 輪島など3市町、道路寸断 石川県輪島市・中屋トンネル、白米千枚田、珠洲市、能登町
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 石川県は22日、記録的豪雨で河川の氾濫や土砂災害が起きた能登半島の3市町で道路が寸断され、集落計115カ所が孤立状態となっていると明らかにした。県や県警、消防への同日までの取材で、6人の死亡が判明。行方不明者は2人。同日午前も激しい雨が降り、被害の全容把握は進んでいない。能登半島地震から復旧を進める中で再び大きな災害に見舞われ、遅れが懸念される。
 県は安否不明者として8人の氏名や住所、年齢を公表した。14~89歳の男女で、自治体別では輪島市7人、珠洲市1人。
 孤立集落数は、県が22日午後4時時点で集計した。最も深刻な輪島市で99カ所、珠洲市は13カ所、能登町は3カ所。国道・県道の48カ所が土砂崩れなどで通行止めになった。国土交通省や県は土砂撤去を急ぐ。輪島、珠洲両市では断水が発生した。
 22日までに23河川が氾濫した。能登半島地震の被災者向け仮設住宅団地は、輪島、珠洲両市の計9地区が床上浸水。地震で被災した輪島塗事業者の仮設工房も4地区が浸水した。輪島市の棚田「白米千枚田」では、のり面が崩れた。
 県の22日のまとめでは、珠洲市で1人が死亡。輪島署や輪島市の消防によると、塚田川で高齢男性が見つかり、死亡が確認された。豪雨で安否不明になった同市の男性(80)の可能性がある。他に同市町野町地区で高齢女性2人の死亡も確認。1人は土砂が流れ込んだ自宅で、もう1人は田んぼで発見された。
 国交省によると、能登半島地震で被災した輪島市の国道249号中屋トンネルの復旧工事現場で21日に起きた土砂崩落で、作業員らの安否が分からなくなった。消防や県警などの捜索で22日、トンネル付近で作業員や付近の住民らを救助、うち2人は死亡が確認された。県によると、行方不明は珠洲市と能登町の2人で、けが人は能登町で2人。