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能登豪雨 死者7人に 負傷12人、断水5000戸


能登豪雨 死者7人に 負傷12人、断水5000戸 行方不明者の捜索が続く、石川県輪島市の塚田川沿いの住宅が流された現場=23日午前9時46分
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 石川県能登地方の記録的豪雨で、県は23日、死者が7人になったと発表した。輪島市など3市町で約5千戸が断水し、給水活動を実施している。元日の能登半島地震では広範囲が長期間断水し、5月末におおむね解消したばかりだった。消防や警察、自衛隊は行方や安否が分からなくなっている人の捜索を続けた。地震後の大雨被害で「複合災害」の状況となり、復興に向け大きな打撃となった。
 県の集計によると、死者は輪島市6人、珠洲市1人。行方不明者は珠洲市と能登町で計2人。負傷者は珠洲市9人、能登町3人で、輪島市は調査中としている。このほか、県は23日午後4時現在の安否不明者として4人の氏名などを公表した。
 国土交通省によると、断水の原因は停電でポンプなど水道施設の機能が停止したことや、地面崩落による水道管破損など。断水戸数は23日午後3時時点で、輪島市3086戸、珠洲市1744戸、能登町230戸となっている。
 能登半島地震では、最大約11万戸が断水した。道路事情の悪さから漏水箇所の確認や修繕に時間がかかり、5月末に一部地区を除いて通水が完了した。県内の自治体や国交省、自衛隊などが各地に給水車を出し、活動している。
 水道の復旧支援も始まっている。名古屋市は職員14人を珠洲市に派遣した。担当者は「早期復旧に向けて全力を尽くす」と語った。
 22日時点で115カ所あった孤立集落は道路復旧が進み減少したが、輪島、珠洲両市と能登町でなお56カ所が孤立している。県などは、孤立集落からヘリコプターによる住民移送も実施。輪島市の坂口茂市長は23日、県の災害対策本部で、孤立が長期化する恐れがあるなどとして、住民約400人を被災地以外の宿泊施設に避難させる「2次避難」が必要との考えを示した。県に対し、受け入れ先の調整を求めた。