県保険医協会など6団体でつくる健康保険証廃止反対県連絡会は23日、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」のトラブルに関する県内での調査結果を発表した。回答した医療機関のうち62.9%が「トラブル・不具合があった」と答え、いったん医療費の10割負担を患者に請求したケースも13件に上った。
調査は全国保険医団体連合会が8~9月に実施した。県内では558の医療機関に質問を送り、112機関から回答を得た。内訳は病院7、診療所62、歯科診療所39、無回答4。連絡会が県庁で記者会見し、結果を説明した。
それによると、トラブルの内容は「カードリーダーの接続不良・認証エラー」が40件で最多。次いで「名前や住所が●で表記される」37件、「資格情報が無効と表示される」33件などで、「他人の情報がひも付けられていた」も1件あった。
高齢の患者が多く、マイナ保険証についての質問対応で受付にとても時間がかかるといった意見も記述されていた。
会見した山里将進医師は「医療効率が上がると政府は説明するが、トラブルが多く、待ち時間も長くなっている」と批判。調査結果で最も多かったトラブルの対応法が「その日に持ち合わせていた健康保険証での資格確認」だったことを踏まえ、現行の保険証を残すように訴えた。12月2日で現行の保険証の新規発行を終えるとする政府方針については「衆院選の争点でもある」と指摘した。
(宮沢之祐)