沖縄県内で昨年12月に起きた米兵少女誘拐暴行事件で、わいせつ誘拐、不同意性交の罪に問われている米空軍兵長の被告(25)=嘉手納基地所属=の第4回公判が25日、那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)で開かれた。検察側は、犯行が「自らの性的欲求を満たすためのもので身勝手で自己中心的」と指摘した上で、「厳しく処罰する必要がある」として懲役7年を求刑した。
被告は意見陳述で「誘拐も性的暴行もしていない」などと述べ、弁護人とともに無罪判決を求めて結審した。判決言い渡しは12月13日。
意見陳述で被告は「(裁判で)全てのものが奪われた」「保釈金含めた多額のお金、多くの時間を費やした」とし、「自分の人生を取り戻したい」とも述べた。
公判では事件当時、16歳未満だった少女の年齢について、被告側の認識が争点となった。検察側証人の少女が、被告に公園で指のジェスチャーも交えて日本語と英語で実年齢を伝え、2人がそれぞれ少女の実年齢を指を折って確認したと証言していた。
検察側は論告で、この証言について公園の防犯カメラの映像で、2人が「指を折って数を数える動きが明らかに確認できる」として「客観証拠」で裏付けられたとした。
一方、「(少女は)18歳と答えた」などと述べて無罪を主張する被告については、捜査段階の供述や公判での証言に「不合理な変遷」があると指摘。「弁解は明らかに虚偽であり、信用できない」とした。
弁護人は、少女の証言は「信用性がない」とし、「(被告が)年齢確認を行い18歳と認識した」などと少女との性的行為についての合意があったとして無罪判決を求めた。