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首里城で消火訓練 4団体合同、未明を想定


首里城で消火訓練 4団体合同、未明を想定 首里城の火災防御合同訓練でホースを構える自衛消防隊員=31日午前、那覇市の首里城公園内素屋根(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄美ら島財団や国営沖縄記念公園事務所、那覇市消防局、県は首里城火災から5年となった31日早朝、合同の火災防御訓練を那覇市の首里城公園で実施した。未明に城内で火災が発生したと想定して、公園内の警備員でつくる自衛消防隊ら102人が参加。昨年設置した、城郭内に水を送る連結送水管を使用した初めての訓練となった。
 正殿の再建作業を行う「素屋根」2階の煙感知器が作動し、出火を確認する想定で訓練が始まった。火災現場を確認した警備室職員は自衛消防隊に無線で連絡。警備業務に当たっていた隊員が駆けつけて消火活動を開始した。約10分後に那覇市消防局が到着し、消火用ホースで放水を実施した。素屋根に隣接する木材倉庫と奉神門の間には、上空に噴射した水で水壁を作り、延焼を防ぐ「水幕防御システム」を設置した。
 那覇市消防局中央消防署の平良厚署長は「声も出ており訓練がしっかりできている印象だった。昨年、一昨年の課題だった消防隊への情報伝達も的確にされていた」と講評した。沖縄美ら島財団の町田宗紀統括は「屋外消火栓から延長したホースに折れがあった。実際の放水訓練を重ねながら改善したい」と述べ、さらなる防災力の向上を目指した。 (名嘉一心)