【宮古島】宮古島の住民54人が台湾の先住民に殺害された報復として、1874年5月に明治政府が台湾に軍事侵攻し、先住民を制圧した「牡丹社事件」から150年となったことなどを受け、宮古島市と台湾・牡丹郷は6日、交流協定に関する覚書に署名した。悲劇を乗り越え、平和的な交流を通じて相互理解を深めることを確認した。
交流や協力関係の促進、相互に教育・文化と観光、産業振興を促進することが主な内容。両自治体の関係者が宮古島市役所で開かれた署名式に参加し、未来志向の関係構築に向けて協力することを確認した。
座喜味一幸市長は「双方にとって大変つらい事件から150年後の今年、改めてさまざまな分野での交流が促進され、絆が世代を超えてさらに深まることを切望する」と述べた。牡丹郷の潘(はん)壮(そう)志(し)郷長は「双方の交流がますます拡大し、より良い発展と未来を築けることを心から願っている」と語った。
市によると、2005年に牡丹郷の訪問団が宮古島を訪れ、事件に遭った島民の子孫と面会し、謝罪した。07年には牡丹郷から市に「愛と和平の記念碑」が贈られた。
牡丹郷の訪問団26人は7日、「愛と和平の記念碑」が建立されている市平良のカママ嶺公園で祈願式を開催する。 (友寄開)
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未来へ平和交流確認 牡丹社事件150年 宮古島市と台湾協定
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琉球新報朝刊