ロングセラー絵本「ねないこ だれだ」など貼り絵を使った独特の表現で親しまれた絵本作家のせなけいこ(本名黒田恵子=くろだ・けいこ)さんが23日午後10時52分、老衰のため神奈川県の自宅で死去した。92歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。喪主は長女で絵本作家の黒田かおる(本名薫=かおる)さん。後日、お別れの会を開く予定。
日本銀行在職中に童画家の武井武雄の弟子に。1969年「いやだいやだの絵本」4冊シリーズでデビューした。ユーモアと温かみのある作風で幅広い世代から人気を集め、同シリーズの「ねないこ だれだ」は累計発行部数が350万部を超える。表紙の白い「おばけ」は、せなさんの作品のトレードマークになった。
「あーんあんの絵本」4冊シリーズの「ルルちゃんのくつした」などに登場する女の子は娘がモデルで、自身の育児経験を基に子どもの姿を生き生きと描いた。他の代表作に「めがねうさぎ」「おばけのてんぷら」「ひとつめのくに」など。
2009年には童謡の歌詞に絵を付けた「おばけなんてないさ」、16年には半生を振り返った自伝的作品「ねないこはわたし」を出版した。
(共同通信)