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<ひと>那覇地検検事正に就任 白井智之さん 第二の故郷・沖縄に4度目赴任 「想像力」を大事に


<ひと>那覇地検検事正に就任 白井智之さん 第二の故郷・沖縄に4度目赴任 「想像力」を大事に 那覇地検検事正に就任して記者会見に臨む白井智之さん=29日、那覇第一地方合同庁舎
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「驚いた気持ちもあったが、それ以上に喜びが大きかった」。かりゆしウエアで臨んだ記者会見で、自身4度目の沖縄赴任辞令を受けた時の気持ちを笑顔で振り返った。

 1996年に任官し、直後の97年、那覇地検に着任。その後、三席検事、次席検事を歴任し、沖縄でのキャリアは「通算7年」。

 「検事では最長ということになるかもしれない」。那覇市出身の妻とは那覇地検での最初の勤務時に知り合った。沖縄は、文字通り「第二の故郷、ふるさと」だ。

 法律家を志し、法律を学ぶうちに刑法の原則である「罪刑法定主義」に引かれた。「真相により近づける仕事は何か」と自身に問いかけて検察官の道に進んだ。

 2023年1月から、那覇地検に赴任するまで籍を置いていた最高検では、サイバー犯罪に対応する「先端犯罪検察ユニット(JPEC)」の班長を務めた。

 パソコンやスマートフォンに残る記録を復元する「デジタルフォレンジック」(電子鑑識)の技術を用いた証拠物の解析で、各地の検察庁の捜査・公判を支援した。スマホの普及に伴った「テレグラム」など匿名性の高いアプリの出現などもあり、「犯罪情勢の変化を痛感した」

 一方で、捜査や公判の現場では「想像力」を大事にしてきた。「目の前に見えている物が全てではない。見えていない物も含めて想像力を働かせて考えることが重要だ」

 趣味は、旅行で美しい自然や風景を愛(め)でること。家族は妻。愛知県出身の54歳。