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赤字状態の特別会計、玉城知事の専決処分を承認 県議会土木環境委


赤字状態の特別会計、玉城知事の専決処分を承認 県議会土木環境委 県議会土木環境委員会で専決処分について採決する委員ら=16日、県議会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県議会土木環境委員会(呉屋宏委員長)が16日、開かれた。県土木建築部所管の二つの整備事業特別会計の2022年度決算が地方自治法違反の「赤字状態」となっている問題を受け、玉城デニー知事が違法状態を解消するために実施した23年度特別会計補正予算案の専決処分の承認を求める議案を審議した。県政与党が賛成に回り、承認(賛成6、反対5)するべきだとした。議案は23日の本会議で改めて審議される。

 県庁内で会計事務のミスが相次いでいることを受け、宮城力総務部長は会計実務の専門職「会計エキスパート」を24年度から養成する方針を示した。専門職員を養成し、再発防止を目指す。

 県は、同補正予算案を9月26日の本会議にいったん提出したものの、県政与党から提出された動議に基づき返付されたため、玉城知事は10月2日に補正予算案を専決処分をした。与党は16日、一転して賛成に回った。

 一方、野党は「県政が非常に堕落している」(座波一氏)と批判した。賛成した与党からも「県民からの信頼を損ねた。執行部に猛省を求める」(比嘉瑞己氏)などと指摘が相次いだ。

 県によると、会計エキスパートは主査級以下の若手職員から希望者の適正を踏まえて選抜する。選ばれた職員は関連するポストに人事配置されるほか、会計の研修も受ける。他県でも会計の専門職員を置いている事例はある。県では既に税務の専門職「税務エキスパート」が設けられており、20人程度が指定されている。

(梅田正覚、與那原采恵)