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サンゴ移植前の護岸工事着手を想定 大浦湾側、沖縄防衛局「生息環境に影響ないと確認」 辺野古新基地建設  


サンゴ移植前の護岸工事着手を想定 大浦湾側、沖縄防衛局「生息環境に影響ないと確認」 辺野古新基地建設   大浦湾に浮かぶ土砂を積んだ船=9月26日午後、名護市瀬嵩(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に関連し、沖縄防衛局は大浦湾側に生息し移植が計画されている小型サンゴ類約8万4千群体などについて、移植前に一部護岸工事の着手を想定していることが24日、分かった。防衛局は護岸工事の入札を実施するなど大浦湾側の工事に向けた準備を進めており、その一環とみられる。

 一方、大浦湾側の埋め立て工事の前提となる軟弱地盤の改良に伴う設計変更申請を県が承認しておらず、防衛局が提出したサンゴ類の特別採捕許可申請も不許可とし、現在は裁判で争われている。

 同日、那覇市内で開かれた環境監視等委員会で、防衛局がサンゴ移植前に護岸工事をした場合の水の濁りや水温、塩分をシミュレーションし、移植対象のサンゴ類への影響を調べた結果を報告した。

 シミュレーションした護岸工事は、辺野古崎付近の「K5~7護岸」、大浦湾北側の「A護岸」、北側沖合に設けられる「海上ヤード」の3カ所だ。シミュレーションの結果、いずれの時期も「サンゴ類の生息環境は維持される」と、工事実施の妥当性を強調した。

 防衛局はシミュレーションした理由について、環境保全図書でサンゴ移植前に護岸工事する場合、シミュレーションでサンゴに影響を与えないかを確認すると記述しているためだとした。護岸工事に着手するタイミングは「現時点でお答えは困難」だとした一方、「仮に工事に着手したとしても、サンゴ類の生息環境には影響がない、維持されると確認した」と強調した。

(知念征尚)