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オスプレイ「コスト高、頻繁停止」指摘 県米事務所報告 外国販売、日本のみ


オスプレイ「コスト高、頻繁停止」指摘 県米事務所報告 外国販売、日本のみ オスプレイ生産工場の閉鎖に係る米国内の情報をまとめた県ワシントン事務所の報告書
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県ワシントン事務所は、米軍の垂直離着陸輸送機V22オスプレイを巡る米メディアの報道などを「オスプレイ生産工場の閉鎖に係る米国内メディア情報」として報告にまとめ、ホームページで公開している。生産ラインの閉鎖計画がある一方、専門家の見解として海軍のニーズの高まりなどで、議会主導で生産が続く可能性があることも示している。

 報告は米国防総省の2024年度予算要求や上下院の24年度国防権限法案、下院の24年度国防予算法案、メディアによる報道を参考資料としている。報告では、国防総省はオスプレイを多くの外国政府などに販売することで大量生産により一機当たりのコストを下げる計画だったが、結果的に外国向け販売は日本のみとなった。

 米メディア「ディフェンス・エアロスペース」はオスプレイの生産終了について「コストが高すぎる上に、頻繁に飛行停止される」と指摘した。

 一方、県の報告は運営資金の大部分を軍需産業企業から受けている米シンクタンク「レキシントン研究所」のローレン・トンプソン最高執行責任者の見解に言及。

 23年4月6日付のフォーブス・マガジンへの寄稿として「米海軍が、分散型海洋作戦(DMO)を導入するところで、同作戦には注文数よりも多くのオスプレイが必要であると認識するかもしれない」との見解を示していると紹介した。

 トンプソン氏は海軍のオスプレイの合理的な生産目標として「戦時中に必要とされる可能性のあるモデルに基づけば70機だろう」として、26年に生産ラインが停止する時点での海軍保有予定数では約20機足りないとしている。議会に対し「この計画を強化するために再び介入することでアメリカの戦闘員と何千人ものオスプレイの生産に関わる労働者を支援することができる」と提言している。

 (梅田正覚、沖田有吾)