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オスプレイ飛行再開検討 米報道 事故原因特定か


オスプレイ飛行再開検討 米報道 事故原因特定か
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 鹿児島県・屋久島沖で昨年11月に発生した米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ墜落事故を巡り、米国防総省が事故を引き起こした「機器故障」を特定したと、AP通信が7日報じた。国防総省の統合安全評議会議長の話として飛行再開に向けて計画を進めていることも伝えた。米軍が全世界でオスプレイの運用を止めると発表して7日で2カ月。飛行再開や事故原因に関する公式発表はまだない。飛行再開前に、事故原因や実効性のある再発防止策が公表されるかは不透明だ。

 APによると、評議会議長は飛行再開前に、操縦士の練度を戻すために必要なシミュレーター訓練の時間や整備内容、具体的な飛行方法について軍全体から意見を得る可能性を示唆した。

 海兵隊が各部隊の準備を整えるために最大30日間の猶予を与える方針を固めていることも報じており、国防総省が飛行再開を決定しても猶予期間が設けられる可能性もある。機器故障の特定を証言した別の国防当局関係者は故障の内容を伏せた。

 防衛省は7日、本紙の取材に「米側とは事故の状況や安全対策について確認作業をしているところだが、内容については答えを控える」と答えた。防衛省関係者は進展状況は明かせないとしつつ「調査で問題の内容が明らかになれば、当然、再開に向けた準備に移行する」と語った。

 沖縄県は事故原因が究明されるまでの飛行停止を求めていた。県関係者の一人は「原因が事故を起こした機体に特有のものなのか、オスプレイ全般に関わるのかでも意味は異なる」と指摘。「県民が広く理解できる理由なのか、説明を注視する」と述べた。
(明真南斗、知念征尚)