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政倫審、自民「非公開」 野党、証人喚問に言及


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、与野党は22日、衆院の政治倫理審査会を28、29両日に開催する日程で大筋合意した。出席は松野博一前官房長官ら自民安倍派、二階派の5人にとどまり、いずれも非公開の審査を希望した。立憲民主党の泉健太代表は公開での開催を唱え、今後の展開次第で証人喚問を要求する可能性に言及、自民をけん制した。
 派閥からの還流額を政治資金収支報告書に記載しなかった衆院議員51人全員の意思確認を要求した野党に対し、自民は申し出た5人以外に出席意向の議員はなかったと回答した。
 自民は2024年度予算案審議への野党の出方を見つつ、政倫審対応を最小限にとどめたものとみられる。政倫審では裏金の使途、安倍派で22年にいったん還流中止を決めた後で復活させた経緯などについて説明が注目される。
 公開の是非について岸田文雄首相は22日、記者団の取材に「国会で決めることだ。調整が続いている」と述べるにとどめた。「関係議員に対し説明を尽くすよう促し続ける」とも言及した。
 政倫審の田中和徳会長宛てに開催を申し出たのは、解散方針を決めた安倍派の「5人組」のうち松野氏、高木毅前国対委員長、西村康稔前経済産業相の事務総長経験者3氏、座長を務めた塩谷立元文部科学相、同様に解散方針の二階派、武田良太事務総長の計5人。
 与野党で筆頭幹事を務める自民の丹羽秀樹、立民の寺田学両氏が協議し、26日に幹事会を開いて日程を正式決定すると確認した。公開の是非も話し合う。丹羽氏は1人1時間とするよう求めた。寺田氏は記者団に「公開して質疑を重ねることが大事だ」と主張した。
 参院でも自民、立民両党は政倫審の幹事懇談会を26日に開く方針で一致した。5人組のうち世耕弘成前参院幹事長は出席する考えを示している。
 立民の泉氏は記者会見で「どういう経緯で安倍派は裏金の仕組みを続けてきたのか。政倫審で役割を果たせないなら、証人喚問などに移らざるを得ない」と強調した。
 衆院政倫審の開催合意を受け、予算委員会は予算案採決の前提となる中央公聴会の29日開催を議決した。自民は3月2日までに予算案を衆院通過させたい考えだ。