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祖国平和へ祈り、抗議も 在日ウクライナ人ら各地で


祖国平和へ祈り、抗議も 在日ウクライナ人ら各地で ロシアの軍事侵攻から2年となり、抗議集会で国歌を歌うウクライナ人ら=24日午後、JR渋谷駅前
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ウクライナに平和と自由を―。ロシアの軍事侵攻から2年となった24日、日本各地で侵攻に抗議するデモや、平和を祈る集会が開かれた。在日ウクライナ人らは犠牲者を悼み、祖国の現状に思いを寄せた。
 「ロシアは私たちに死と破壊をもたらしたが、世界はロシアを容認し続けている」。東京・渋谷のハチ公前広場では、青と黄色のウクライナ国旗を羽織るなどした約100人が集まって抗議の声を上げ「平和と自由を」と訴えた。
 昨年2月におじを侵攻で亡くしたというマローワ・ナターリヤさん(28)は、現地の惨状を伝える活動を続けていて「武器はないけれど、自分なりの闘い方がある」と強調した。
 日本におけるウクライナ正教会「聖ユダミッション」は、東京都港区の教会で祈りをささげる集いを開き、信者ら約50人が賛美歌を歌った。正教会のオクサーナ・ピスクノーワさん(47)は長期化する侵攻に「ウクライナ人は団結している。勝利へ力を合わせよう」と呼びかけた。
 広島市の原爆ドーム前。侵攻による犠牲者を追悼するため、宗教者や市民らが集まった。広島県に避難するウクライナ人も参加して花を供え、即時停戦を求めた。呼びかけ人の住職小武正教さん(66)は「兵士だけでなく、多くの市民が命を失った。ロシアは兵を引いてほしい」とした。
 奈良市で開かれた侵攻に反対する集会には約150人が参加。大阪市内で働くウクライナ人女性(42)は故郷に家族が残っているといい「戦争は早く終わってほしいが、侵略する側に屈するわけにはいかない。ウクライナのことをこれからもずっと覚えていて」と声を詰まらせた。