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欠席の二階氏に批判 安倍派 萩生田氏も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会には、政治資金収支報告書に多額の不記載があった二階俊博元幹事長や安倍派幹部の萩生田光一前政調会長らは出席しなかった。岸田文雄首相が出席する一方、責任ある立場の議員らが国会で正式に語るのを避ける格好となり、野党議員から厳しい批判の声も上がった。
 二階派の事務総長として出席した武田良太元総務相は、二階氏不出席の理由を問われ「まぎれもなく派閥の象徴。しかし一切、事務また経理などに関わることはなかった。説明責任がつくのは私と思った」と釈明した。
 これまで派閥からの寄付収入の不記載が5年間で3526万円となっている二階氏。自民党のアンケートで不記載があった議員の中ではトップの合計額となる。特捜部が二階氏の秘書らを立件した1月19日には記者会見を開き、派閥の解散方針などを示したが、自身が受け取った裏金について詳細な説明はなかった。
 訂正された収支報告書でも「書籍代」として約3470万円に上る支出が追加計上されるなど、不自然な点が残る。幹事長在任中に、党から受け取ったとされる約50億円の政策活動費と合わせて、国会での追及が続いているが、1カ月以上、本人が説明する場は設けられていない。
 一方の萩生田氏は2728万円が不記載だったことが明らかになっており、自民党アンケートでは3位の高額となる。2月2日付で訂正した収支報告書は、支出の一部を「不明」としたため、繰越額や支出総額などが不明の状態となっている。
 萩生田氏は当初、出席の意向を示したが、対象者が派閥の事務総長経験者らに絞られると、出席しない運びとなった。
 共産党の穀田恵二国対委員長は政倫審終了後の記者団の取材に、(還流額を記載しなかった衆院議員)51人全員の出席を求めてきたとした上で「本来この問題は証人喚問が必要だ」と息巻いた。