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下水道、官民連携の「ウオーターPPP」導入を検討 沖縄県、事業費2400万円を補正予算案に計上


下水道、官民連携の「ウオーターPPP」導入を検討 沖縄県、事業費2400万円を補正予算案に計上
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 沖縄県議会2月定例会で4日、予算特別委員会(比嘉京子委員長)が始まった。県は、県内15市町村にまたがる三流域下水道と四つの処理センターを運営する「県流域下水道事業」の施設の維持管理・改築更新の効率化を図るため、官民連携(PPP)方式の一種「ウオーターPPP」の導入可能性調査事業を開始することを明らかにした。2023年度特別会計に事業費2400万円を盛り込んだ補正予算案を提出した。

 民間事業者にウオーターPPP参画意欲を聞き取る「マーケットサウンディング」を実施するほか、導入対象流域の検討を行う。国が23年6月にウオーターPPPの推進を打ち出したことを受けた対応。国は27年度以降の汚水管の改築に関する補助を受けるためにはPPPの導入を決めることを求めている。

 県はこれまで民間業者に1~3年の短期間で「維持管理」「改築」「計画」の業務をそれぞれ別途で委託していた。ウオーターPPPはこれらを一括して包括的に委託、期間も原則10年間と長期化する。民間事業者の自由度が増し、創意工夫を促し経費縮減を目指す。縮減によって浮いた予算は官民でシェアする仕組み。

 県によると、ウオーターPPPを導入している自治体は県内にはない。全国の中でも下水道事業で導入しているのは4自治体にとどまる。

 一方、24年度一般会計当初予算の編成に向け、23年度予算を51億3296万円減額する補正予算案も審議した。当初見込んでいた予算額から不要分などを減額しつつ、一部を24年度予算案に組み替える。

(梅田正覚)