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献金企業、委員問題なし 首相、防衛力強化会議で


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 4日の参院予算委員会で、防衛力の抜本的強化に関する有識者会議(座長・榊原定征元経団連会長)の在り方が議論になった。自民党への企業・団体献金を続ける三菱重工業の経営幹部を委員に充てた政府の対応について、立憲民主党の辻元清美氏は、利害関係者に便宜を図ったのに等しいとみて批判した。岸田文雄首相は「特定の企業からの寄付が政策決定に影響を与えることは考えにくい」と述べ、問題はないとした。
 有識者会議は、2023年度から5年間の防衛費総額を約43兆円とする政府方針に関し、さらなる増額を検討するよう提起している。
 会議の委員には、次期戦闘機の国際共同開発に携わる三菱重工の宮永俊一会長が名を連ねる。首相は、自民の政治資金団体に対する三菱重工の献金額を問われると、政治資金収支報告書に基づき「20年から22年にかけ、いずれも3300万円の寄付をいただいている」と答弁した。
 有識者会議を巡り「経済や科学技術、報道など幅広い分野から参加いただいている」と説明。「20人近いメンバーの中に1人、防衛産業に関わる方が入っていただくことは、全体のバランスとしても不自然ではない」と語り、人選は適切だとの認識を示した。
 辻元氏は「国の基幹である防衛政策の会議に、その政策でもうける利害関係者を入れ、多額の発注をし、自民が政治献金を受け取る。まるでキックバック(還流)ではないか」と訴えた。