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杉田氏再びアイヌ中傷 「存在しない差別話す人」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党の杉田水脈衆院議員は8日付のX(旧ツイッター)投稿で、人権状況の改善を求めるアイヌ民族の関係者に触れ「日本に存在しない差別を話す人たち」と中傷した。杉田氏は昨年、アイヌや在日コリアンへの差別的言動を法務当局から人権侵犯認定された。投稿はレイシズム(人種差別主義)を再びあおった形だ。
 投稿では、アイヌ女性の健康保険加入状況を巡り、アイヌ側が虚偽の説明をしていると決め付けている。返信欄には杉田氏を称賛する声に交じり、悪質なヘイトスピーチが目立つ。杉田氏には、こうした書き込みを繰り返す一部保守層の歓心を買う狙いがあるとみられる。
 杉田氏は投稿で、アイヌ女性団体「メノコモシモシ」の多原良子代表の声を伝える共産党機関紙「しんぶん赤旗」の記事に言及。過去の国連女性差別撤廃委員会で多原氏が「アイヌの女性は健康保険に加入できず」と訴えたとする部分を引用し「(委員会は)うそを吹聴する場ではありません。私はこの現場にいて、日本には存在しない差別を話す人たちにとても違和感を感じました」と書き込んだ。
 杉田氏が人権侵犯を認定されたのは、多原氏らを侮辱した2016年当時のブログ記事。「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」と記述し、問題化した。