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収支報告書訂正、90人に 裏金問題 ずさんな管理浮き彫り


収支報告書訂正、90人に 裏金問題 ずさんな管理浮き彫り 不適切な訂正があった主な議員
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、安倍派(清和政策研究会)と二階派(志帥会)に所属し、派閥からの寄付収入の不記載が発覚した国会議員ら100人のうち、11日までに90人が政治資金収支報告書を訂正した。ただ、さらなる訂正や説明が求められる内容も多く見受けられ、ずさんな資金管理が浮き彫りとなっている。
 二階派は1月18日、安倍派は同31日に収支報告を訂正し、計98人の国会議員らへの支出不記載が明らかになった。うち90人の政治団体の訂正された収支報告書が、総務省や都道府県の選挙管理委員会で公表されている。一部の議員は同時に支出も追記した。5年間で3526万円の不記載があったとされる二階俊博元幹事長は、「書籍代」として約3470万円の支出を計上。国会で「何万冊購入したのか」などの批判を受け、購入した書籍名を明らかにし、選挙区外の行政、議会関係者に配布したと主張した。だが「とても配り切れる量ではない」と疑問の声も上がる。
 安倍派の「5人組」と呼ばれる実力者も全員が訂正した。不記載額が2728万円の萩生田光一前政調会長と1019万円の高木毅前国対委員長は、支出の項目に「不明」と追記。
 1542万円の世耕弘成前参院幹事長も、金額や日付などが不明の「贈答品等代」の項目を追加。結果として支出総額や繰越額も不明とされている。
 安倍派会長も務めた故細田博之前衆院議長の政治団体も、使途不明金の支出を計292万円計上している。
 「不明」ではないが、適切な支出か問われる内容も。1051万円が不記載だった松野博一前官房長官は「会合費」として3年で計約593万円の支出を計上。1件で30万円以上を飲食店に支払った項目もあった。