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「西山事件」記録開示を 公文書委答申 冒頭陳述書など


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府の公文書管理委員会は12日、沖縄返還に伴う日米密約を報じて記者が逮捕された「西山事件」を巡り、外務省が閲覧を制限した裁判記録のうち冒頭陳述書など一部は閲覧を可能にすべきだと答申した。外務省が今後、閲覧の可否を判断する。
 答申書によると、対象は事件に関する裁判記録や米側との関係を記載した文書など3ファイル。2020年9月に外交史料館に移管され「特定歴史公文書等」となった。閲覧請求に対し、外務省は22年8月に「個人の権利権益を害する恐れ」「公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす恐れ」を理由に、一部の閲覧を認めなかった。
 管理委は、公判調書や被告らの意見陳述書などについて「公にしても秩序の維持に支障を及ぼす恐れがあると認められない」と判断した。一方で、個人情報を含む記録や供述調書は引き続き非開示が妥当とした。事件は、毎日新聞記者だった故西山太吉さんが、外務省の女性事務官に機密公電の漏えいを働きかけたとして、国家公務員法違反容疑で逮捕、起訴された。