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住民放置に切迫感表れ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 嘉手納町議会が全議員で異例の要請行動に臨んだのは、改善されない米軍基地の諸問題で住民の声が放置されている現状に対する、切迫感の表れだ。従来の要請よりも踏み込み、議会全体で強い反対姿勢を示した。
 広い関心を集める狙いもあった。町議会基地対策特別委員会の當山均委員長は「この現状をこじ開けて、国民に現状を知ってもらわなければいけない」と述べる。
 政府は嘉手納基地からの訓練移転で負担軽減を図っているとするも、訓練移転中には外来機の飛来が相次いだ。嘉手納で相次ぐパラシュート降下訓練は4カ月連続で実施された。政府が嘉手納の「例外的」な使用を認める際に挙げる「定期的なものではない」との条件から懸け離れている。
 政府は米軍のやりたい放題な基地運用を追認せず、住民の切実な声を拾い上げる必要がある。
 (石井恵理菜)