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「驚きの発見」 密約再研究を 識者談話 中島琢磨・九州大教授


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 中島琢磨・九州大教授(日本政治外交史)の話 驚きの発見だ。安保改定時に日米は「討議の記録」という非公開文書を作ったが、藤山愛一郎外相が「現行の手続き」という言葉の明記に反対し、削除を求めていた経緯が初めて明らかになった。
 米国は将来も核搭載艦船を日本に寄港させるため、艦船寄港を巡る「現行の手続き」に変更がないとの一文を「討議の記録」に盛り込んだ。外相は交渉中「艦船に積む兵器の種類を明かさない」との米軍の考え方を聞かされており、この一文が核艦船寄港を認める意味になると気付き文書化を嫌ったのではないか。
 法的に国家の意思を代表できる立場の外相が米側の文意を認識した上で反対し、最後に合意していたなら、その意味は大きい。密約再研究の必要性を示しており他の関連文書公開が求められる。