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下村氏「代替案議論した」 政倫審 還流復活の責任回避


下村氏「代替案議論した」 政倫審 還流復活の責任回避 衆院の政治倫理審査会で質問を聞く下村博文氏=18日午後
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け安倍派の下村博文氏は18日、衆院の政治倫理審査会に出席し、2022年8月の資金還流の復活判断について「誰がどう決めたのか承知していない」と述べた。派閥幹部協議に参加した塩谷立、西村康稔、世耕弘成3氏と合わせ、いずれも自らの責任を回避した。下村氏は協議の際、還流をやめる代わりに議員個人のパーティー券を派閥が購入する代替案を議論したと明らかにした。還流の違法性を当時認識していたとの指摘は否定した。
 政倫審の証言を通じ、幹部協議は同年8月5日に塩谷氏の事務所で開かれたと判明している。当時は塩谷、下村両氏が派閥の会長代理、西村氏が事務総長、世耕氏が参院側会長だった。
 4氏は政倫審で、派内に還流再開の要望があったとした上で、下村、西村両氏は幹部協議で結論が出なかったと主張。世耕氏は「何らかの資金手当て」を決めたが還流復活を全否定した。
 塩谷氏が、22年に限った還流復活は「しょうがないかなと話し合われた」とした証言と矛盾を残したほか、全員が自身の責任を否定。誰の指示か明らかにならず、野党は、偽証罪が適用される証人喚問を要求した。
 違法性を巡り下村氏は今年1月31日の記者会見で、還流資金を「個人パーティーに上乗せして政治資金収支報告書を合法的な形で出す案」と語っており注目された。だが18日の政倫審では、22年8月の幹部協議で議論したのは派閥がパーティー券を合法的に購入する案だと強調。採用されず、提案者も覚えていないとした。当時「キックバックが違法とは認識していなかった」と訴えた。