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「覚えてない」連発


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 18日の衆院政治倫理審査会に出席した下村博文元文部科学相は、政治資金パーティー券販売ノルマ超過分の還流を巡る幹部の証言が食い違う中、発言に注目が集まっていたが、核心部分については「知らなかった」、「覚えていない」を連発。衆参合わせて10人目の弁明だったが、この日も疑惑の解明には程遠く、与野党から厳しい声が相次いだ。
 「包み隠さず正直に、そして簡明に真摯(しんし)にお話を申し上げさせていただきます」と弁明を始めた下村氏。しかし、安倍派の事務総長在任時も会計には関与しておらず、還流についても知らなかったと強調した。
 自民党の井出庸生氏は、下村氏自身が1月の記者会見で、2022年8月の同派幹部協議で「ある人」から、資金還流に代わり議員個人のパーティー券を派閥が購入する案が出されたと述べていたことについて、誰なのかを明かすよう求めたが、下村氏は「私自身が特定できないので、『ある人』という言い方」をしたと釈明した。
 派閥元会長の森喜朗元首相による還流への関与の有無が論点になる中、下村氏が森氏との確執を抱えていることも関心を集めていた。立憲民主党の寺田学氏は森氏の影響力について尋ねたが、下村氏は「全く承知していない」などと繰り返した。