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再稼働同意 経産相要請 柏崎刈羽原発 新潟知事は慎重


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 斎藤健経済産業相は19日、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働への同意を花角英世知事に要請したと明らかにした。21日に同省幹部を県や柏崎市、刈羽村に派遣。再稼働に必要な地元同意を目指し、働きかけを本格化させる。ただ東電の不祥事への不信に加え、能登半島地震では原発事故時の避難の難題も顕在化した。花角氏は慎重姿勢を崩していない。
 同原発は全7基が停止中。東電は福島第1原発事故で事実上国有化され、政府は電力供給や経営再建に必要だとして、原子力規制委員会の審査に合格した柏崎刈羽6、7号機の再稼働を急ぐ。
 斎藤氏は19日の閣議後記者会見で、18日に花角氏に電話で要請したとした上で「理解を得られるよう、しっかりと説明に取り組む」と強調した。
 新潟県庁で取材に応じた花角氏は「『お話は承りました』と答えた」と述べるにとどめた。
 柏崎刈羽原発ではテロ対策の不備が相次いで発覚。規制委が事実上の運転禁止を命じていたが、改善されたとして昨年末に解除した。
 経産省は要請に先立ち15日に、小早川智明社長から信頼回復への取り組み方針を確認した。東電は今月25日から国際原子力機関(IAEA)の調査を受け、改善状況を地元に丁寧に説明するとしている。
 再稼働には避難計画の策定も必要となる。ただ能登地震では事故時に使う避難道路が寸断され、屋内退避に必要な家屋などの倒壊も相次いだ。花角氏は「再稼働判断に関わる」と懸念を表明している。