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X「お金配り」投稿に注意 特殊詐欺グループ関与か


X「お金配り」投稿に注意 特殊詐欺グループ関与か 「お金配り」投稿の構図(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 現金を配布すると呼びかける「お金配り」の投稿がX(旧ツイッター)で相次いでいる。だが、実際にもらえるのはまれ。一部は特殊詐欺グループの関与が疑われ、17万人がフォローするアカウントもあった。応募した女性は伝えた口座情報が悪用され、警察の事情聴取を受けた。識者は「犯罪に巻き込まれる可能性が高く、安易な応募はやめて」と注意喚起する。
 「がんで余命1年。死ぬ前に資産分配」。昨年7月、Xのあるアカウントが栃木県の60代女性の目に留まった。「いいねで40万振り込み」などと投稿しており、フォローするとダイレクトメッセージが届いた。振り込みにはキャッシュカードと暗証番号が必要とのことで、指示通りにカードなどを送った。
 だが連絡は途絶え、銀行から突然「口座を凍結しました」と連絡があった。詳細は大阪府警に聞いてほしいとのことで府警に尋ねると、詐欺の被害金が振り込まれたといい、加担した可能性があるとして犯罪収益移転防止法違反容疑で事情聴取された。
 女性のカードを受け取ったとして、府警は今年1月、同容疑で埼玉県の20代の男2人を逮捕した。2人は「闇バイトで口座回収役になった」と供述。府警は特殊詐欺グループがアカウントを管理していたとみている。フォロワーが17万人超だった時もあり、同様の投稿が繰り返されていた。
 インターネット犯罪に詳しい東京都立大の星周一郎教授によると、お金配り投稿は2019年ごろ、著名人が旧ツイッターで募った現金プレゼント企画で広く知られるようになった。X上で多数確認でき、いいねやフォローなど簡単な条件で現金を送るとしている。