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自民がダンサー会合報告書 交付金なし主張、野党は批判


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党は22日、露出の多い衣装の女性ダンサーを招いた党和歌山県連主催会合に関する報告書を参院予算委員会理事懇談会に示した。県連青年局長だった川畑哲哉県議=離党=が「サプライズにしようと思った」と1人で企画したと説明。党本部や県連、参加者に余興を事前周知せず、政党交付金からの支出はなかったと主張した。野党は、公金支出がないことを裏付ける根拠に乏しいと批判した。
 報告書は21日付。県連関係者や会合参加者らへの聞き取りを基に党の組織運動本部が作成した。会合には約50人が参加し「チップを口にくわえてダンサーに渡す行為や、水着に挟み込む行為があった」とした。参加者1人当たり5千円の会費と県連の一般会計から費用を捻出したとしている。
 党本部からは青年局の役職を辞任した藤原崇、中曽根康隆両衆院議員が出席した。会合の際、参加者から「会の趣旨にそぐわない」との苦言があり、余興の撮影データがあれば削除するよう要請したという。会合後、県連役員が川畑氏を注意し、青年局長辞任を求めたが、川畑氏が複数回拒絶した経緯も判明した。川畑氏は世耕弘成前参院幹事長の秘書出身で、ダンサーに口移ししたのも世耕氏の秘書だったとされる。
 政党交付金は使われていないとの結論に、立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長は「費用の内訳を出してもらう」と指摘。国会論戦で追及を継続する構えを見せた。