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国政関与疑い招く行為


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 只野雅人一橋大大学院教授(憲法学)の話 憲法4条1項で、天皇は国政関与の権能を有しないと定める。新元号の検討状況の説明や報告に過ぎないと考えるなら憲法に抵触しないが、趣旨に照らせば運用の仕方に問題があったと言えるのではないか。外から見れば、新元号の正式決定前に当時の安倍晋三首相が同意を求めたり、意向を伺ったりしたように受け止められかねない。
 特に天皇と関わりが深い元号の選定は非常に政治的にセンシティブな事柄のため、一定の疑いを招きかねない行為だったと思う。一般に報道されている政治状況や政策決定過程を報告、説明するのとは異なる。
 当時は新天皇即位前なので、4条が明確かつ厳密に適用されるものではない。ただ間もなく新天皇に即位する時期だったので、同じ問題を含むと解釈できる。