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責任逃れ、批判避けられず


責任逃れ、批判避けられず 自民党・二階俊博元幹事長の主な歩み
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党の二階俊博元幹事長は、離党や除名となった議員らを除き、政治資金収支報告書への不記載額が最も多い。秘書も有罪が確定した。次期衆院選への不出馬表明で、派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡る自身の「政治とカネ」問題の幕引きを図った形だ。幹事長経験者として重い責任に真摯(しんし)に向き合うどころか、逃れようとしているように映る。国民からの批判は避けられない。
 自民の調査によると、二階氏の不記載額は3526万円に達する。二階氏は衆院政治倫理審査会に出席せず、国会などでの説明を回避。この日の記者会見も側近に回答を任せる場面が目立ち、約10分で立ち去った。裏金事件の背景への説明は聞かれず、国民の政治不信はさらに深まった。
 それだけではない。幹事長在任中に約50億円もの巨額の政策活動費を受け取った。一体何に使ったのか。与野党で問題視する声が相次いだが、明快な説明はないままだ。
 二階氏は会見で、自民が国民から信頼を得られるよう再起を願うと強調した。信頼回復の第一歩は、説明責任を果たすことだ。後ろ向きな姿勢で、党再生は逆に遠のいたと断じざるを得ない。